英国予算 – 後ろ倒しの財政健全化、イベント通過
先週水曜日、リーブス財務相は予算案を発表しました。予想を上回る220億ポンドの財政余地が示されたことで一時的に金利は低下しましたが、その内容が大部分「後ろ倒し」であることが明らかになると、その動きはすぐに反転しました。重要なポイントは、実質的な財政再健(歳出削減や増税)が本格的に始まるのは2028~2029年からであり、当面は歳出が拡大するため、信頼性への懸念が高まっている点です。その後、英国債を支えたのは、新規発行が短期国債に偏ることを示唆したDMO(債務管理局)でした。ポンド相場自体は大きく動きませんでしたが、市場の注目は「インプライド・ボラティリティ(予想変動率)」に集まりました。リスクイベントが無事に終わったことで、市場の不安感が和らぎ、予想変動率が大きく下がりました。
米国 – マクロは底堅く、ハト派的な流れ
最近はFOMC(連邦公開市場委員会)の「利上げ継続」などタカ派的な見方が市場に広がっていましたが、市場はその流れを特に混乱なく受け入れていました。しかし、ウィリアムズFRB高官が「近いうちに利下げの可能性がある」と発言したことで、短期金利に大きな変動が起こり、市場の見方が変わりました。先週発表された小売売上高や生産者物価指数も弱めの結果となり、この動きを後押ししました。12月のFOMC会合では、利下げの確率が80%まで織り込まれています。次回FOMCまで2週間を残し、労働市場データは会合後に発表されるため、市場はハト派的な見方を強めています。
作成:Algebris Investments Global Credit Team
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