マーケットビュー - グローバルクレジット

Global Credit Bullets | 2025年9月1日(月)

先週火曜日、フランスではバイルー首相が予算案に関する信任投票を実施すると発表しました。この動きは、連立政権を崩壊させる可能性が高いと見られています。また、アメリカではトランプ大統領がFRB理事のリサ・クック氏の解任を表明しました。
2025年9月1日
フランス – 財政悪化は一時的な懸念か、それとも持続的な変化か?

先週火曜日、バイルー首相が予算案に関する信任投票を行う方針を表明しました。この動きは、連立政権を崩壊させる可能性が高いと見られています。ただし、議会選挙が即座に行われる可能性は低く、新たな首相が各党との妥協を通じて予算をまとめることが期待されています。大統領選挙の実施は現時点では除外されており、国民連合(RN)が政権を握る状況にはありません。

市場は再びフランスの財政見通しに注目しています。財政の軌道は悪化しており、すでに高水準にあるGDP比115%の債務比率は今後さらに上昇する見込みです。政府が今年の財政赤字見込み(GDP比5.4%)を来年4.6%に削減するのは非常に困難であり、バイルー氏の目標は元々非現実的でした。現在の見通しでは、2026年には赤字が5.5〜6%に達する可能性があります。

財政再建が進まなければ、格付けの引き下げはほぼ確実であり、信任投票直後に格付け機関が見直しを発表する予定です。市場ではすでに一部織り込み済みで、OAT-BTPスプレッドはゼロ付近、OAT-ESTRは100bp、OAT-Bundは80bpとなっています。OAT-Bundスプレッドは依然として広い水準ですが、9月8日を前にさらなるボラティリティの可能性も否定できません。

今後の展開は、市場がフランスの財政悪化をどこまで受け入れるかにかかっています。ただし、現時点では急激な危機の可能性は低く、これまでと同様の徐々に進行する悪化が続くと見られます。

FRB – 独立性の危機。法制度は守れるか?

先週、トランプ大統領は衝撃的な書簡でFRB理事のリサ・クック氏の解任を表明しました。クック氏はこれに対して異議申し立てを行い、今後は裁判所が判断を下すことになります。これはFRBの歴史上、前例のない事態です。

トランプ陣営はFRB理事会への影響力を強めようとしており、これは地域連銀の人事にも影響を与える可能性があります。もしFRBの独立性が損なわれると市場が認識すれば、長期金利プレミアムの上昇やドル安のリスクが高まると見られます。


作成:Algebris Investments Global Credit Team

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