米国 – 利下げへの青信号
先週、CPI(消費者物価指数)は予想を上回る上昇を示しました。コアCPIは概ね予想通りでしたが、コアPCE(個人消費支出)への波及が弱かったことに加え、新規失業保険申請件数の増加が短期的な金利上昇を引き起こしました。市場では年末までに3回の利下げが織り込まれており、9月には25ベーシスポイントの利下げが有力視されているものの、50ベーシスポイントの利下げの可能性も完全には排除されていません。FRBは柔軟な姿勢を維持し、労働市場の軟化とサービス部門の粘着性のあるインフレを慎重に見極めるとみられます。
日本 – 政治的移行が財政リスクを高める
石破首相が自民党総裁を辞任したことで、政治的不確実性がさらに高まっています。これは、日銀が難しい金融引き締めを実施しようとしているタイミングで起きたため、影響は大きいと考えています。複数候補による総裁選は、市場心理を冷やし、政策の明確化を遅らせる可能性があります。中期的には金融政策の正常化が目標であるものの、短期的な進展は不安定になる可能性が高く、JGB(日本国債)市場はリスク選好の変化に対して脆弱な状態が続くでしょう。
フランス – 新首相就任も課題は変わらず
予想通り、ベイルー首相は議会の信任投票に敗れ、マクロン大統領は迅速にルコルニュ氏を新首相に任命しました。新政権が信頼性のある予算を通すには左派の支持を必要とするため、財政再建はこれまでの目標を下回る可能性があります。構造的な課題は依然として未解決であり、OAT-Bundスプレッド(フランスとドイツの国債利回り差)が最近縮小しているものの、予算交渉に伴う政治的不確実性の再浮上により、再び拡大する余地があると見ています。
ECB – 政策据え置き、12月が焦点に
先週木曜日、ECBは予想通り政策を据え置きました。声明では、タカ派的な口調(引き締め姿勢)とハト派的な経済見通し(緩和の可能性)が併存していました。ラガルド総裁は、12月の利下げの可能性を残す発言をしており、市場では15%の確率で利下げが織り込まれています。利下げを正当化するには、今後数か月でインフレが大きく下振れする必要があります。また、ユーロの急激な上昇がインフレ見通しに影響を与える場合、追加の利下げ材料となる可能性もあります。
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