マーケットビュー - グローバルエクイティ

Global Equity Bullets | 2026年2月25日(水)

グローバル株式市場は2026年堅調なスタートを切り、MSCIワールド指数は年初来米ドルベースで2.3%上昇しています。 一方、最近承認されたイタリアのエネルギー法令(Energy Decree)では、エネルギー企業に対する一時的な2%の追加課税(2026~2027年)が導入され、卸電力市場の構造改革の可能性が示唆されています。
2026年2月25日

2026年はポジティブなスタート

グローバル株式市場は2026年を明るいムードで迎え、MSCIワールド指数は年初来で米ドルベースで2.3%上昇しました。バリュエーションの低下が一部下落要因となったものの、主に世界的な企業収益の回復がパフォーマンスを牽引しました。

2025年に見られた流れを引き継ぎ、世界的な資本再配分が続く中、米国市場は相対的に出遅れています。足元の決算シーズンでは米国企業の基礎的な収益成長は依然として堅調であるものの、米国市場からの資金流出が見られる一方、欧州、ラテンアメリカ、そして一部のアジア諸国には力強い資金流入が続いています。

欧州株式は、歴史的な低水準からのバリュエーション回復を背景に2025年に20%超上昇しましたが、現在は企業収益の本格的な回復局面に入っており、この傾向はイタリア市場にも反映されています。

アジアでは、日本と韓国が際立ったパフォーマンスを示しています。日本の株式市場は、高市早苗首相の再選および積極的な財政拡張策へのコミットメントを掲げる同政権の姿勢が追い風となりました。一方、韓国では、米国におけるデータセンター建設の拡大やAIインフラに対する世界的な需要の高まりを背景に、テクノロジー株中心の指数が引き続き恩恵を受けています。

イタリア – エネルギー価格の構造的な転換

最近承認されたエネルギー法令(Energy Decree)では、エネルギー企業に対する一時的な2%の追加課税(2026~2027年)が導入され、卸電力市場の構造改革の可能性が示されています。これには、電気料金からの炭素コスト(ETS)削除や、ガス火力発電所に対する補償メカニズム(EU承認が前提)の導入が含まれる可能性があります。

こうした動きを受け、イタリアの翌年受渡し電力価格は直近の取引で急落しました。市場が、規制リスクの再評価や、炭素コストが価格形成から部分的に切り離される可能性が織り込見始めたためです。

これらの措置は、消費者コスト軽減を目的としていますが、一方で、電力価格を構造的に引き下げ、公益事業会社や再生可能エネルギー事業者のマージンを圧迫する可能性があります。その影響は、規制事業者(例:Terna、Snam)、統合型公益企業(例:Enel、A2A、Edison)、再生可能エネルギー事業者(例:ERG)にまで及ぶと見られます。その結果、イタリア電力セクター全体において、政策動向に対する業績感応度が高まるとともに、規制面での複雑性が一段と増す可能性があります。

EU – 鉄鋼産業の復権に向けた動向

欧州の鉄鋼業界は、需要低迷、高水準のエネルギーコスト、輸入材の浸透拡大により、近年厳しい環境が続いています。しかし、EUの政策転換が、同セクターの見通しを改善する可能性があります。

2025年10月、欧州委員会は大幅に厳格化された貿易体制を提案しました。具体的には、輸入割当量を半減し、割当超過分に対する関税を50%へ倍増させる内容です。加えて、炭素国境調整メカニズム(CBAM)の本格導入により、EU域外からの鉄鋼の実質コストが上昇し、域内調達の促進や欧州鉄鋼価格の押し上げにつながると考えられます。

これは、トランプ大統領の第2期政権下にある米国でも、国内鉄鋼産業支援のための保護主義的措置が強化され、鉄鋼輸入関税が最大50%に達している状況に伴うものです。

こうした新たな欧州の枠組みは2026年半ばに施行予定であり、2025年に約30%に達していた欧州の鉄鋼輸入比率を大幅に低下させ、価格を押し上げる可能性があります。

市場はすでにこのシナリオを織り込み始めています。欧州の熱延コイル(HRC)価格は年初来で約11%上昇し、主要な欧州鉄鋼メーカーの株価は2026年初来でいずれも2桁上昇と、ユーロ・ストックス50指数をアウトパフォームしています。

作成:Algebris Investments Global Equity Team

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