イランを巡る対立が焦点
火曜日、米国では下院および上院議席の改選に向けた中間選挙が行われます。主要な予測市場では、民主党が上下両院を制する確率を70%程度織り込んでいます。政策面では、大きな変更はないとみています。過去2年間、主要な政策課題の多くは大統領令を通じて対応されてきたほか、議会が大きな権限を持つ財政政策についても、選挙結果にかかわらず緊縮方向へ転じる可能性は低いと考えられます。市場は、共和党が強い結果となれば株式にプラス、債券にマイナス、民主党が上下両院を制すれば、その逆と受け止める可能性があります。市場の焦点はイランに移る可能性が高いでしょう。米政権は選挙直後に対イラン政策をエスカレートさせる余地があることを示唆しています。先週、ブレント原油は1バレル=118ドルに達し、2月以来の高値を付けました。
本格的な利上げサイクルからさらに遠ざかる
先週水曜日、FRBは予想通り政策金利を据え置きました。12月の追加利上げが引き続き基本シナリオではあるものの、記者会見での発言はハト派的で、追加利上げへの確信度も低い内容となりました。ウォーシュ議長は、12月の政策判断において、今後発表される経済活動に関するデータが重要になると強調し、利上げを見送る可能性も示唆しました。こうした姿勢は、本格的な利上げサイクルというよりも、小幅な政策調整にとどまるとの市場の見方をより強めるものです。
ハト派的な据え置き
ECBは政策金利を据え置き、声明や記者会見の内容はハト派的なものとなりました。ラガルド総裁は、インフレの二次的波及効果がみられていないことを強調するとともに、経済成長に及ぼす潜在的な影響にも言及しました。フランスについては、TPI(Transmission Protection Instrument)の存在を市場に改めて示しました。TPIとは、ユーロ圏の国債市場で無秩序な動きが生じ、金融政策の円滑な波及が損なわれることを防ぐため、必要に応じてECBが国債などを購入する枠組みです。実際の支援導入が差し迫っているわけではありませんが、TPIの存在自体が、フランス国債のスプレッド拡大に一定の歯止めをかけると考えられます。また、ラガルド総裁は、自身の早期退任観測を認め、2月7日にECB総裁を退任する予定です。後任候補としてはECB理事会メンバーのデコス氏とクノット氏が有力視されています。このうちクノット氏は、よりタカ派的で、周縁国への支援にも慎重な姿勢を取る可能性が高いとみられます。
ストレスが高まる
市場のストレスは高まりつつあります。過去2年間にわたり株式市場の上昇をけん引してきたAI関連株にも売り圧力がかかっています。ナスダック指数は高値から10%超下落しており、個別銘柄では25%下落しているものもあります。クレジット市場にもその影響が波及し始めており、2026年は低格付け銘柄やディストレスト銘柄で大幅な損失が生じています。こうした環境下、当社は引き続きクレジットや株式などのリスク資産には慎重な姿勢を維持する一方、デュレーションについてはより前向きにみています。
ブラック・マンデー
先週月曜日、左派のルラ大統領の再選を受け、ブラジルの国内金融市場は歴史的ともいえる急落に見舞われました。ブラジルレアルは10%下落、株式市場は30%下落し、国内債券利回りは300bp上昇しました。これほど大きな市場変動となった背景には、世論調査が実際の選挙結果を大きく見誤り、市場参加者の多くが右派候補の勝利を高い確度で予想していたことがあります。今後、市場の焦点はルラ政権の政策運営を見極めることに移ります。その最初の手掛かりとなるのが、主要閣僚の人事です。過去のルラ政権は一貫して現実的な政策運営を行ってきたことから、現在の市場水準は長期投資家にとって魅力的な投資機会となる可能性があります。
作成:Algebris Investments Global Credit Team
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