マーケットビュー - グローバルエクイティ

Global Equity Bullets | 2026年1月28日(水)

2025年の世界株式市場は、ボラティリティが高まる局面はあったものの、上昇した1年となりました。MSCIワールド・インデックスは米ドルベースで約22%上昇し、3年連続で二桁リターンとなりました。また、世界株式は2026年も堅調にスタートしており、その上昇を牽引したのは 半導体製造装置企業 という特定のセグメントでした。
2026年1月28日
2025年の振り返り – 2025年の世界株式は力強い1年に

2025年の世界株式は、断続的にボラティリティが高くなる局面もありましたが、最終的には力強いパフォーマンスとなった1年でした。MSCIワールド・インデックスは米ドルベースで約22%上昇し、3年連続となる二桁リターンを達成しました。

米国株式は、指数全体の70%超を占める中、米国以外の市場に比べるとやや劣後しましたが、年間リターンは約18%と堅調でした。上昇の主因は企業収益であり、S&P500のEPSは約 +13% の伸びを記録しました。特にテクノロジーセクターが牽引し、2025年後半には FRBの利下げ期待が高まったことで、より幅広い銘柄に買いが波及 しました。

欧州市場では、企業収益の伸びが限定的だったにもかかわらず、株式は堅調に推移し、年初から市場全体をアウトパフォームしました。低水準からのバリュエーション拡大が主因であり、投資家センチメントの改善、新規資金流入の再開、そして防衛・産業セクターへの強いエクスポージャーが追い風となりました。市場では 2026年の企業利益回復 をすでに織り込み始めています。

ソフトウェアの終焉?

「ソフトウェアの終焉」論が浮上しています。生成AIツールがコーディングを自動化し、従来のSaaS(Software-as-a-Service)モデルを破壊することで、多くのソフトウェア企業が陳腐化する可能性を示唆するものです。

歴史的に、ソフトウェア開発は高コストかつ複雑であり、既存企業の参入障壁となってきた。しかしAIはこの障壁を大きく下げ、コーディングを事実上コモディティ化し、これまで数十人のエンジニアが必要だった専門ツールであっても、小規模チームが「十分使える」レベルのものを構築することを可能にしました。例えばAIスタートアップの Anthropic は、最新プロダクト「Claude Cowork」をAIの助けを借りてわずか10日で構築したと主張しています。

ただし、この見方は誇張されている可能性があります。AIはソフトウェアを消滅させるのではなく、各社に進化を迫る存在であり、ソフトウェア企業はAIを統合し、既存の付加価値を強化する方向へ進むことになります。勝者となるのは、強固な販売チャネル、独自データ、深い業務統合性、そして“AIから業務フローへの製品化”を明確に備えたプラットフォーム企業でしょう。逆に、特定機能に特化したツールは、特に価格がユーザーの感じる価値に見合わなくなっている場合、使われなくなる可能性が高まるでしょう。

したがって、ソフトウェアが消滅する可能性は低いものの、基本的な機能に高い価格を設定できた“レントシーキング(利権追及)の時代”は、終わりに近づいています。

活況のハードウェア市場 – 1月は半導体製造装置関連株が好調

2026年1月、世界株式市場は力強いスタートを切りましたが、その中でも特に上昇を牽引したのは、半導体製造装置関連株でした。これらの企業は、世界最先端の半導体を製造するために欠かせない高度な製造装置を供給しており、ASML、Applied Materials、ASM International、イタリアのTechnoprobeなどが、AI需要の急拡大による猛烈な追い風を受けて急騰しました。AIがより高速なチップを求めることで、半導体メーカーは大規模な設備投資を進め、最終的に設備メーカーへ巨額の投資資金が流れ込む「連鎖反応」が起きています。ここでは、その上昇がなぜ起きたのか、数字を交えて解説したいと思います。

この上昇の引き金となったのは、2026年1月15日に発表された TSMC の2025年第4四半期の決算報告でした。TSMC は Nvidia、Apple、AMD といった大手に最先端チップを供給する、世界最大の半導体受託製造企業であり、まさに業界の「心臓部」です。同社は四半期として過去最高の利益を発表し、2026年の売上を米ドルベースで +30% 成長見通しとしました。中でも投資家の注目を集めたのは、資本支出が2025年の約400億ドルから、2026年には520〜560億ドルへ急拡大するとした点です。これはまるで「レストランブームに備えて厨房を一気に拡張する」ようなものです。AI や高性能コンピューティング(HPC)の需要が爆発的に増える中、チップ需要に応えるためには工場そのものを増やす必要があります。TSMC の積極的な投資計画は、半導体需要が尽きる気配はないという強い確信を示すものであり、その波及効果がサプライヤー各社へ一斉に広がったのです。

酒類市場 – 短期の在庫調整、長期のブランド力

酒類業界は現在、コロナ禍後の過剰在庫の消化局面にあり、大手メーカーは約220億ドルの在庫を抱えています。このため、一時的な生産停止や限定的な価格調整を通じて在庫解消を進めつつ、ブランド価値の維持に努めています。

短期的には典型的な在庫調整サイクルの様相を呈していますが、中期的な見通しはより複雑です。需要の一部鈍化は構造的であり、特に Z世代や若いミレニアル層の消費減少 が背景にあります。また需要はマクロ環境にも敏感です。ただし歴史的には、プレミアムブランドや特別な消費シーンは、全体の出荷量よりも落ち込みが小さく、相対的に底堅い ことが示されています。

マクロ環境が改善してくれば、需要が再加速する可能性があります。さらに、高価格帯へのシフト(プレミアム化)や強固なブランド認知 が追い風となるでしょう。一方、メーカー側が生産を計画的に抑制し、大幅な値下げを避けていることは、将来的な価格決定力(プライシングパワー)の維持に寄与します。

作成:Algebris Investments Global Equity Team

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