イラン – 軍事衝突から交渉局面へ、 10項目からなる停戦合意
先週、トランプ大統領はイランとの間で2週間の停戦を発表し、同地域で複数の戦線に広がっていた緊張の激化は事実上一旦停止されました。発表当日はミサイルやドローンによる攻撃が継続していましたが、その後まもなく攻撃件数はほぼゼロにまで減少しました。
今回の停戦は、米国主導による広範な緊張緩和の取り組みの一環とみられており、交渉への道筋を作ることを目的とした、報道されている10項目からなる枠組みに基づいている模様です。この緊張緩和の重要な柱の一つが、特にレバノンにおけるさらなる事態の悪化を抑えるよう、米国がイスラエルのネタニヤフ首相に直接圧力をかけている点です。特にレバノンにおける緊張激化を抑える狙いがありました。
イスラエルは、イランと関係する資産やヒズボラの拠点を積極的に攻撃しており、レバノン戦線を通じてより広範な紛争へ発展するリスクが高まっていました。しかし、米国が介入したことで追加的な軍事行動は抑制され、多方面に広がる戦争リスクは封じ込められたとみられます。
今後、今回の停戦を契機に正式な交渉が開始される可能性があり、外交ルートもすでに再開されていますが、状況は依然として脆弱です。週末に行われた協議では具体的な進展は見られず、米国は停戦期間中にホルムズ海峡が意図的に封鎖されることを一切容認しない姿勢を示し、海上封鎖を示唆しています。
マクロ環境 – ショックは後退、影響は継続
リスク資産の価格は概ねイラン紛争前の水準に戻っています。一方で、金利市場は異なるメッセージを発しています。投資家は成長への打撃をほぼ織り込まなくなった一方で、インフレはより長期的な影響を残すとの見方をしており、米国債やドイツ国債の利回りに反映されています。
停戦が維持される限り、成長への打撃は当面限定的と見込まれます。しかし、インフレ圧力は継続する見通しです。先行して上昇した原油価格の影響は、依然としてCPIに波及している段階にあり、さらに市場は、サプライチェーン、肥料、食料品価格を通じた二次的な影響を過小評価している可能性があります。
短期金利はすでに上昇していますが、中央銀行は引き続きタカ派寄りの姿勢を維持する公算が大きいでしょう。長期金利も以前高水準にあり、財政懸念が主要テーマとして再浮上しています。
商品価格は高値からは調整していますが、地政学的プレミアムは依然として織り込まれたままです。停戦が不安定な状況が続く限り、地政学的プレミアムは価格に織り込まれたまま、商品価格は高止まりしやすいとみられます。
ハンガリー – ティサ党が3分の2の議席を獲得、オルバン政権の終焉
ハンガリーでは、ティサ党が歴史的な勝利を収め、憲法改正が可能となる3分の2の議席を確保する見通しとなりました。これにより、オルバン首相は4期連続で政権を担った末に退陣することとなり、世論調査が示していた「歴史的な単純過半数」をも上回る結果となりました。
開票率98.72%時点で、ティサ党は54%(199議席中138議席)を獲得し、フィデス党は38%(55議席)にとどまっています。投票率は80%と過去平均の63%、および2022年選挙の過去最高であった73.5%を大きく上回り、強い民意を示しています。
今回の勝利により、ティサ党は立法および憲法改正の全面的な主導権を掌握し、EUからの資金拠出を再開させるために求められていた改革を進める体制が整いました。EUとの関係は早期に改善に向かう可能性が高く、改革への明確なコミットメントが示されれば、完全な実行を待たずとも、凍結されていたEU投資補助金やSAFE融資の一部が段階的に解除される可能性があります。
中でも、復興・強靭化基金(RRF、64億ユーロ)は、EUがハンガリー支援に迅速に動く中で、早ければ今夏にも資金流入が始まる可能性があります。融資条件についても、例外的な柔軟性が認められる見込みです。
今回の強固な民意は、より慎重な財政政策への転換を後押しするものであり、EUレベルでの政治的摩擦を低減させるものであり、ウクライナにとっても明確なプラス材料となります。
作成:Algebris Investments Global Credit Team
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