マーケットビュー - グローバルエクイティ

Global Equity Bullets | 2026年3月25日(水)

年初は、アジア市場および欧州市場が、概ね横ばいで推移していた米国市場をアウトパフォームするなど、比較的力強いスタートとなっていました。しかし、2月28日に米国とイスラエルがイランに対して軍事行動を開始したことを受け、世界の株式市場は下押し圧力にさらされました。 同時に、スマートフォン業界では、メモリーチップ価格の高騰が続いており、大きな課題に直面しています。 また、近年価格見通しの落ち着きやトランプ大統領の供給拡大重視の政策スタンスを背景に、原油は市場において「忘れられたコモディティ」とみなされつつありましたが、今回の紛争は、原油が依然として世界で最も戦略的なコモディティであることを、強く再認識させる出来事となりました。
2026年3月25日

中東情勢の緊張が世界的な市場下落を招く

年初は、アジア市場および欧州市場が、概ね横ばいで推移していた米国市場をアウトパフォームするなど、比較的力強いスタートとなっていました。しかし、2月28日に米国とイスラエルがイランに対して軍事行動を開始したことを受け、世界の株式市場は下押し圧力にさらされました。

イランによる報復では、イスラエルおよび湾岸諸国が標的となり、エネルギー生産施設への攻撃やホルムズ海峡を通過するタンカー輸送の混乱が発生しました。その結果、世界の石油・ガス供給のおよそ20%が一時的に遮断され、原油価格は1バレル100ドルを超える水準まで急騰、市場は大きく売り込まれました。

相対的なエネルギー自給力を有する米国は、マイナスリターンを記録したものの、比較的底堅さを示しました。一方で、アジアおよび欧州はより大きな打撃を受けました。アジアの多くの国は、ホルムズ海峡を経由する貿易フローへの依存度が高く、また欧州は引き続き同地域からのガス供給に依存しているためです。

この結果、アジア市場は年初来のアウトパフォーム分の多くを失ったものの、プラス圏を維持しました。一方、米国および欧州市場は年初来でマイナスに転じ、いずれも5%前後の下落となりました。

AI需要の急拡大を背景としたメモリーチップの供給逼迫

スマートフォン業界は現在、メモリーチップ価格の急騰が続く中、大きな課題に直面しています。AI需要の拡大を背景に、サンディスク(SanDisk)やサムスン(Samsung)といった主要メモリーチップメーカーが、生産能力の多くをAI向けメモリーに振り向けており、従来のコンシューマー向け電子機器の供給が絞られています。

その結果、モバイル向けメモリーの調達コストは急上昇し、主要なDRAMおよびNANDの価格は、2025年半ば以降、大幅に上昇しています。こうした動きは、スマートフォンおよび家電業界全体に深刻な影響を及ぼすと見込まれています。

IDCリサーチによれば、2026年にはスマートフォン市場が約13%縮小する可能性があります。メーカー各社は対応策として、採算性の低い低価格モデルから撤退し、消費者をプレミアム端末へ誘導する動きを強めています。実際、主要ブランドは、過去約5年で最大規模となる価格引き上げを計画しており、低価格スマートフォンの時代は終わりを迎えつつあることを示唆しています。

原油の戦略的重要性が消費者に及ぼす影響

近年の市場では、価格見通しの落ち着きや、トランプ大統領の供給拡大を重視する姿勢に支えられ、原油は次第に「忘れられたコモディティ」として扱われてきました。しかし、今回の戦争は、原油が依然として世界で最も戦略的なコモディティであることを、強く思い起こさせる出来事となりました。

米国のガソリン価格は現在、1ガロン当たり約3.96ドルと、2月下旬から約1ドル上昇、2023年後半以来の高値となっています。これは、イラン情勢の悪化を受けて湾岸地域のエネルギーフローが混乱し、原油価格が急騰したことを反映しています。

ガソリン小売価格の半分強は原油価格が占めるため、原油価格の上昇は即座にガソリン価格へと転嫁されます。消費者にとってこれは「税」のように作用し、可処分所得を圧迫し、低所得世帯により大きな負担をもたらします。その結果、外食、アパレル、レジャーといった裁量的支出から消費がシフトするリスクをもたらします。

作成:Algebris Investments Global Equity Team

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