デュレーションの大幅調整
先週、世界の債券市場は大幅な下落に見舞われました。欧州および米国のPMIが市場予想を上回ったことに加え、原油価格が再び高値圏に近づいたことで、世界的な金利上昇圧力が一段と強まりました。9月前半の2週間でイールドカーブが急速にフラット化した後、長期ゾーンでは大幅な売りが発生しました。
また、直近の米5年国債入札では、投資家需要の弱さを示す結果(落札利回りが市場予想を約3bp上回る)となり、これは近年でも最大級の弱い入札となりました。 長期デュレーションを確保できる他の投資先が増えていることもあり、長期債に対する世界的な需要は依然として限定的です。 また、政府債務残高が増加を続けるなか、各国政府は借入コストの上昇に対してより敏感になっており、市場の調整を一段と痛みを伴うものにしています。
今回の債券市場の下落は短期金利の上昇だけでは説明できません。市場では、FRBがインフレを抑制するために追加的な金融引き締めを行う必要があるのか、それとも比較的小幅な政策調整だけでインフレをコントロールできるのかが焦点となっています。コアPCEインフレ率は依然として3%を上回り、CPIも長期間にわたり目標を上回っていることから、FRBは引き続き難しい政策運営を迫られています。
財政懸念の再燃
先週、フランス国債(OAT)とドイツ国債(Bund)のスプレッドは100bpを突破し、2012年以来の高水準に達しました。この動きは、フランスの財政見通しに対する懸念の再燃と、政治的不透明感の高まりを反映したものです。
財政赤字は今年および来年ともGDP比5%を超える見通しであり、債務残高対GDP比率も今後数年間にわたって上昇が続くと予想されています。このため、フランス関連資産には改めて売り圧力がかかりました。
また、世論調査の決選投票シナリオでは、メランション氏の支持拡大が依然として市場にとって大きな懸念材料となっています。同氏はこれまでも財政問題を軽視する姿勢を示してきたほか、フランス中央銀行が保有する国債の扱いを巡り、市場を不安視させる発言を繰り返してきました。
一方で、マリーヌ・ルペン氏の政党が議会で過半数を獲得する可能性が比較的高いことや、決選投票が接戦となる可能性も、市場の不透明感を一段と高めています。財政規律の緩みを市場が厳しく見る環境が続くなか、フランスは今後数か月にわたり引き続き注目されるテーマとなりそうです。
Algebris Investments’ Global Credit Team
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