マーケットビュー - グローバルエクイティ

Global Equity Bullets | 2026年5月27日(水)

4月の力強い回復に続き、株式市場は5月も上昇を続けました。米国とイランの停戦協議が引き続き市場心理を左右し、楽観と後退が交錯する展開となりました。5月1日には、S&P500指数が過去最高値で引けました。しかし月半ばには予想を上回るCPIの発表を受け、新議長ケビン・ウォーシュ率いるFRBの今後の政策運営に対する警戒感が強まりました。
2026年5月27日

AIブームが市場全体を押し上げ

4月の急回復を足掛かりに、株式市場は5月も上昇基調を維持しました。米国とイランの停戦協議が引き続き市場動向を左右し、楽観と後退が交錯する展開となる中、月末にはトランプ氏が交渉は「最終段階」にあると発言したことで、原油価格は高値から反落しました。

もっとも、この期間を通じた最大のテーマは人工知能(AI)でした。5月21日に発表されたエヌビディアの好決算が市場全体に波及し、韓国総合株価指数(KOSPI)は1日で8%超上昇、サムスン電子やSKハイニックスは過去最高値を更新し、日経平均株価は初めて65,000円を突破しました。

米国では、好調な1–3月期決算と底堅い雇用統計に支えられ、S&P500指数は5月1日に7,230を上回る過去最高値で取引を終えました。一方で、月半ばに発表された予想を上回るCPIは、次期FRB議長ケビン・ウォーシュの下での金融政策の方向性に対する警戒感を高めました。

欧州はアジアおよび米国に比べて出遅れ、エネルギー価格の変動リスクやECBの金融引き締め観測の影響が重石となりました。年初来では、韓国や日本のテクノロジー指数が顕著なパフォーマンスを示し、アジアが引き続き市場を牽引しています。米国および欧州も、いずれもプラス圏を維持しています。

第1四半期決算:米国の勢い、欧州の底堅さ

米国では、企業決算が引き続き好調な市場の支えとなっています。2026年第1四半期において、S&P500構成企業の84%が予想を上回るEPSを達成し、決算シーズンを通じて利益成長見通しが大きく上方修正されました。テクノロジー、通信サービス、AI関連の設備投資の恩恵を受けるセクターが引き続き収益成長の主要なドライバーとなっており、企業ファンダメンタルズが市場パフォーマンスを下支えしていることが確認されました。

欧州においても決算は予想を上回る結果となりました。STOXX600では58%がEPS予想を上回り、過去平均を上回る水準となりました。また、エネルギー、金融、一部のディフェンシブセクターに支えられ、利益見通しもプラスに転じました。欧州のストーリは、需要の回復というよりも、むしろ「底堅さ」にあり、売上高は依然として低調であったが、利益の上振れは主にマージン改善、コスト管理、およびセクター構成の変化によるものでした。

総じて、米国では構造的成長テーマに支えられた企業収益が依然として市場の強力な原動力となっているのに対し、欧州では投資家が懸念していたほど悪化しない【収益の下支え】が確認され、今後、マージンの底堅さに売上高の明確な回復が加わるかどうかが次の焦点となります。

パッシブ投資を通じた“実質的なSpaceX保有”の広がり

2年にわたり停滞していた米国のIPO市場が、再び活発化しつつあり、今回はこれまでにない規模の企業が上場を控えています。SpaceX、OpenAI、Anthropicはいずれも、上場と同時に世界トップ10に入る水準の時価総額が想定されています。

ポートフォリオマネージャーにとって、この動きは構造的なイベントであり、指数のウェイト、パッシブ資金のフロー、流動性環境、そしてポートフォリオ全体の集中リスクに影響を及ぼします。

例えば、SpaceXの時価総額が1.75兆ドルとすると、上場初日にアマゾンに次ぐ米国第6位の企業となります。S&P500に組み入れられた場合、同指数を追随するパッシブファンド(運用資産総額20兆ドル超)は、機械的に購入を余儀なくされます。

この影響は、既存の構成銘柄にも及びます。パッシブ資金が新たな大型銘柄を組み入れる際、既存の銘柄を売却して資金を捻出する必要があり、これは裁量ではなく、アルゴリズムに基づく機械的なものです。

過去の大型銘柄採用(Meta:2012年、Tesla:2020年)で、リバランスによる歪みが生じましたが、今回の2026年IPO候補群はそれらとは桁違いの規模となります。その結果、何百万人もの投資家が、自ら明確な投資判断をすることなく、インデックスを通じてSpaceXを保有することになる可能性があります。

このような市場環境においては、自身が何を、なぜ保有しているのか、そしてSpaceXが6月12日に上場した際にどのような影響が生じるのかを、事前に正しく理解することが不可欠です。

作成:Algebris Investments Global Equity Team

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