マーケットビュー - グローバルクレジット

Global Credit Bullets | 2026年7月13日(月)

イラン情勢は依然として極めて不透明ですが、短期的に最も可能性が高いシナリオは、断続的な軍事衝突と、そのたびに緊張緩和に向けた対応が繰り返される、脆弱な「戦争でも平和でもない」状態が継続することです。アンカラで開催されたNATO首脳会議は、地政学的観点から大きな注目を集め、議論はウクライナ情勢、欧州の安全保障、防衛費負担、そしてNATOにおける米国の今後の役割に集中しました。今週発表される米国の消費者物価指数(CPI)については、最近の原油価格上昇によって押し上げられていたインフレ率の一部が反転することなども一因となり、市場予想では総合CPI上昇率は前年比4.2%から3.8%へ鈍化すると見込まれています。
2026年7月13日(月)
イラン – 戦争でも平和でもない

イランを巡る情勢は依然として極めて不透明ですが、短期的には、散発的な軍事衝突と緊張緩和の試みが繰り返される、脆弱な「戦争でも平和でもない」状態が続く可能性が最も高いと考えられます。

最近の軍事的な応酬や、トランプ大統領による「テヘランとの合意は事実上終わった」との発言を受け、原油価格は急騰し、市場では一時的にリスク回避の動きが広がりました。しかしその後、トランプ大統領が繰り返し「イランは合意を望んでいる」と発言したことで、市場の懸念は和らぎました。

現時点では、米国・イラン双方とも全面的な軍事衝突は回避したい意向を持っているように見られます。ただし、今後の交渉の枠組みや着地点が依然として不明確であるため、市場は引き続きヘッドラインニュースに左右される変動リスクにさらされています。

アンカラNATO首脳会議 – 地政学リスクが市場の焦点に

アンカラで開催されたNATO首脳会議は、地政学的観点から大きな注目を集めました。主な議題は、ウクライナ情勢、欧州の安全保障、防衛費の拡大、そしてNATOにおける米国の将来的な役割でした。

トランプ大統領のウクライナに対する姿勢は、首脳会議を前にした数週間で支援的な姿勢へ変化しており、これまでの「米国による支援継続」に対する懐疑的な態度から一転しました。ただし、その姿勢は依然として流動的であり、「実利・取引重視」の色彩が強いと考えられています。

一方、トルコのエルドアン大統領は今回の首脳会議を機に、トルコがNATOにとって不可欠な加盟国であることを改めて強調しました。また、トルコはウクライナ問題やイラン問題における重要な仲介役であり、欧州および米国にとって欠かせない安全保障パートナーであるとの立場をアピールしました。

米国CPI – 7月利上げの可能性はまだ消えていない

今週は米国のCPIが発表されます。最近の原油価格上昇によって押し上げられていたインフレ率の一部が統計上反動的に低下するため、市場予想では、総合インフレ率は前年比4.2%から3.8%へ鈍化すると見込まれています。

今回の発表は、7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に特に重要なイベントとなります。現在、市場は約25%の確率で追加利上げを織り込んでいます。直近の米雇用統計(NFP)は市場予想を下回ったものの、米国経済の底堅さを示す指標は依然として複数存在しています。 また、FRBは最近、将来の政策方針について明確なシグナルをほとんど示していないため、今回のCPIが市場予想を上回る内容、特にコアインフレの強さが確認されれば、7月会合での利上げ観測が再び大きく高まる可能性があります

作成:Algebris Investments Global Credit Team

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