Global Credit Bullets | 2026年9月7日(月)

Global Credit Bullets | 2026年9月7日(月)

米国 – 利上げが視野に

米国の雇用者数は先月16.2万人増加したと報じられ、市場予想を大きく上回りました。これを受けて、金融市場では利上げ観測をやや織り込む動きがみられました。しかし、雇用統計発表前日にウォラーFRB理事がハト派的な発言を行ったことから、利上げに踏み切るためのハードルは従来考えられていたよりも高い可能性があります。

次の焦点は米CPI(消費者物価指数)です。市場では9月FOMCでの利上げを完全には織り込んでおらず、現在は25bpの利上げを60%程度織り込んでいます。そのため、CPIが市場予想通り(コアCPI前月比+0.2%程度)であれば、FRBが利上げを実施する可能性は十分に残ると考えられています。一方で、利上げ観測が大きく後退するためには、インフレ指標が予想を明確に下回る必要があります。 ただし、市場はすでに9月から10月の会合で25bpsの利上げをほぼ織り込んでいます。このため、仮に利上げ期待がさらに高まったとしても、米2年国債利回りの上昇余地は数週間前と比べて限定的になっているとの見方です。

日本 – 円相場を巡る市場の思惑

先週も円相場が市場の大きな注目材料となりました。夏場には日本政府・日銀による為替介入や追加利上げ観測を背景に円高が進行し、米ドル円は直近の安値水準まで下落しました。円安に歯止めがかかった背景としては、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が海外資産の一部を国内へ還流させる可能性があるとの観測や日銀が次回またはその次の会合で利上げを実施するとの期待が挙げられます。

しかし、今後さらに円高が進むためには、日銀が市場予想以上にタカ派的な姿勢を示す必要があると考えられています。日銀はこれまで利上げに慎重な姿勢を維持してきたため、市場では追加利上げ期待が十分に高まらない限り、円高基調が定着するのは難しいとの見方があります。

政府・日銀はこの夏、累計で約1,000億ドル規模の為替介入を実施したとみられます。市場では、介入によって短期的に円安進行を抑制することは可能であるものの、持続的な円高を実現するためには金融政策面での後押しが不可欠と考えられています。

ブラジル – 大統領選挙の行方

10月に予定されているブラジル大統領選挙が激しさを増しています。報道によれば、現職のルラ大統領とフラビオ・ボルソナロ氏がほぼ互角の支持率で競り合っている状況です。ルラ大統領は再選を目指していますが、景気減速に加え、高水準の実質金利、汚職疑惑、治安悪化への懸念などが支持率の重しとなっています。一方で、足元ではボルソナロ陣営への支持拡大がみられ、ブラジルの金利市場や株式市場の相対的な好調さを支える要因となっています。

中南米全体で政治的な右傾化が進むなか、ブラジルはその流れを左右する重要な存在とみられています。仮に右派寄りの候補が勝利すれば、特に財政問題への期待からブラジル資産が大きく見直される可能性があります。なかでも金利市場では、現在の財政運営の持続可能性に対する懸念が根強いため、財政規律改善への期待から国債利回りが低下し、債券価格が上昇する余地があると考えられています。一方で、ルラ大統領が再選した場合は、基本的に現在の政策運営が継続されるとの見方が大勢です。

また、決選投票の実施可能性がより明確になるまでは、市場の変動性は高い状態が続くとみられています。今後はバンコ・マスター問題やその他の汚職疑惑に関する新たな報道が出てくる可能性もあり、選挙戦の行方に影響を与える可能性があります。現時点では、選挙の勝敗を予想するのは難しく、極めて接戦の状態が続いています。

作成:Algebris Investments Global Credit Team

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